黒部の太陽
16日の夜は、土木学会主催の「黒部の太陽」特別上映会に行ってきました。石原裕次郎と三船敏郎主演の40年前の映画で、黒四ダムの関電トンネル掘削を舞台にした、あの有名な映画です。

「土木屋」としては期待にたがわず迫力満点な映画で、その意味では満足して帰ってきました。
ただ、土木工事の場面以外の、映画としての人間模様を描いている部分:たとえばどんな経緯で主人公(裕次郎)が結婚したのか?父との葛藤や作業員との確執は?・・・・・・などがずいぶん省略されているようで(劇場版から2〜3割カットされていたそうです)、その部分が描かれてこその「映画」としての感動、というのも期待はしていたところだったので、もし機会があればぜひノーカットで見てみたいものです。

舞台となった北アルプスには何度も登っています。学生の頃には、黒四ダムから十字峡を経て、欅平(トロッコ列車の終点)までの、黒部峡谷沿いの水平歩道(旧日電歩道)を、紅葉シーズンに1泊で歩いたこともありました。ほとんど水平(というかゆるい下り)の道で、いまは足場もしっかりしているので、山歩きに少し慣れていれば技術的にも体力的にもあまり問題ない道ではあるのですが、がけから足を滑らしたら当然ながら命はありません。アーチダムを下から見上げたときの迫力、秋でも黒部川の本流に残っていたスノーブリッジ、高熱隧道から流れ出るお湯の露天風呂、垂直の岩壁にコ字型にくりぬいた水平歩道・・・など、今でもよく覚えています。

この高熱隧道は、「黒部の太陽」でも出てくるし、吉村昭の同名の小説にもなっています。吉村昭の本は結構読んでいて、「高熱隧道」も高校生か浪人生のときに最初に読んでから、それ以来いままで何度か読み返しています。でも一箇所だけ、不満な点があるのです。
この小説のひとつのヤマ場は、冬の黒部峡谷の志合谷のトンネル工事の宿舎が、ホウ雪崩で宿舎が丸ごと黒部川の対岸の岩壁まで吹き飛ばされてしまう、という場面なのですが、そこが問題箇所です。雪崩が流れてきた方角と、宿舎が飛ばされてしまった方角の小説での記述が、どうかんがえても東西南北が逆なのです。吉村昭ほどの人が間違うわけがない、という気もするのですが、実際に志合谷に行って旧宿舎の廃墟をみて谷を見上げてみるまでもなく、地図を見れば間違いだといわざるを得ません。私の持っている版はもう20年近く前の文庫本ですが、いまの版は修正されているのでしょうか?もし修正されていないのなら、小説とはいえ、史実に基づく作品なのですから、何とかすべきものと思います。「文学作品」となると難しいのでしょうかねえ。
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