この「不定期更新ブログ」は文字通り不定期で、「出張に行ったときだけ書く」というのがなんだか定番になってきてしまいました。去る6月にはベトナムへの4泊の出張があり、これはベトナム中部の都市ダナンでの学生合同セミナーで、とても実りある充実したものでした。ところが、私が「こんなのはじめて」という強烈な腹痛にやられてしまい、丸1日ほぼ休まざるをえなかったこともあって、このときはついにブログを書くこともできず帰国となったのでした。
今回は、7月11日から16日まで、世界交通学会(WCTR )への参加で、リスボン出張です。
前にもブログに書いたことがありますが、成田空港は決して悪い空港ではないと思っています。アクセス時間が読めるし、都心発着なら1時間で確実に着く。チェックインも入出国審査も、荷物の受け取りも、待たされることは少ない。成田到着のときは、飛行機を降りてから電車に乗るまで、最速10分で行ったこともあります。空港内での手続きの時間を含めたトータルの所要時間では、世界的に比較してもそれほど見劣りしないと思います(もっとも、これは成田空港に慣れている人にとっての話で、外国人にとっての印象は違うとは思います)。さらに成田空港で気に入っているのは、出発の待合室のいたるところにあるパソコン電源デスクで、これは出発前にちょっとした仕事をするのにとても重宝しています。航空会社のラウンジ内は別として、一般の待合室にデスクがある空港は世界中でも意外と少ないのです。空港での一時利用インターネットの料金も、1日500円程度というのは、海外の空港に比べてかなり安いです。
このところ、自宅から成田へはリムジンバス利用が多くなりました。東京空港交通のウェブサイトでは、過去一ヶ月間のバス所要時間が、主要な路線について日別・時間帯別のグラフでわかるようになっています。これは、各車両に取り付けられたGPSのログデータです。今回のように日曜日の朝発の成田までの所要時間を知りたければ、過去4週分の日曜日のデータを見ればよいわけで、この情報はとても重宝します。たとえば、都心各地区発の成田行きの場合は、平日の夕方以外はほぼすべての便で60分程度で到着していることがわかります。ウェブ上の時刻表では所要90分前後となっていますが、それくらい時間がかかる便は全体の数%にも満たない程度ということもわかります。いっぽう成田空港発の場合は一定の傾向がなく、90分程度かかる便もそれなりにあることもわかります。
ただ、せっかくのこの情報も、ウェブ上ではわかりやすい場所にはありません(→ぜひ、探してみてください)。ほとんどの利用者は、時刻表に示された「所要90分程度」という情報しか見ていないのではないかと思います。
これはとてももったいない。
時間帯ごとの所要時間データは、言ってみれば企業のノウハウの一部でもあり、あまり出したくない、というのもあるかもしれません。そのせいか、この所要時間を示したグラフのサイズは小さくて、一般の利用者からするととても見にくいのです(傾向はわかりますが、個別の具体的な数値は出していません)。
グラフはまあ小さくてよいとしても、たとえばウェブの時刻表上に、ダイヤとは別に「空港行きの場合は、平均所要時間60分程度で到着」などと示したり、過去所要時間のグラフへのリンクを各路線の時刻表の脇につくったり(いまは、それすらない)など、この種のデータはもっと積極的に活用されてよいと思います。利用者の側のいわば「情報活用リテラシー」も、随分と上がってきていると思いますし。