• 2011.09.11 Sunday
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公共交通で買物

クリスマスです。横浜駅も夕方はいつもより人が多い気がします。ケーキ屋の前は大行列でした。

さて、ドイツは小さな町でもどこでも、12月上旬からクリスマス前まで「クリスマスマーケット」が街の中心の広場などに出て、地元の民芸品やソーセージ、グリュ‐ワイン(温ワイン)などの出店が出て、なかなかの賑わいになります。強いて言うと日本の縁日みたいなもんでしょう(風情があって、でも売っているものがなんとなく安っぽいのも、日本の縁日ふうです)。とくに、帰国直前(16日)のフランクフルトの中心部は、買い物客とクリスマスマーケットに来る客とで、横浜駅の西口以上の人でした。

話は、カールスルーエです。カイザースラウテルンを引き払った後、せっかくなのでカールスルーエに寄って来ました。クリスマス前の土曜日(13日)だったためか、こちらも中心部の歩行者専用道路(いわゆるトランジットモールですね)は、歩行者で大混雑です。有名な話ですが、ここの通りは、片方向に1時間40本以上のトラムが運行されているので、文字通りトラムが人をかき分けて走っています(もちろんかなりゆっくりです)。ちなみにここのトラムの区間の地下化(地上と地下の2層化)計画は、住民投票でGoとなってからなかなか進展していません。カイザースラウテルン大学のトップ先生、ハーグ先生ほかのスタッフは、ここの地下化の必要性や意義について懐疑的というかやや批判的なコメントをされていたのが印象的でした。
カールスルーエ

多くの人が、この中心街にトラムでやってくるわけですが、そんな歩行者空間のど真ん中になぜか大型路線バスの車両が停車していました(ちょっと迷惑な気も)。kostenlos
これ、無料の荷物預かりサービスでした(ドイツ語で、荷物サービス 無料 と張り紙がしてあります)。いろいろな店の買物袋がバスの中においてあるのが見えました。確かに、このような商店街では、一つ一つの店では荷物預かりはしてくれないだろうし、でも荷物を持ってこの通りを歩くのもナンだし、ましてや混雑したクリスマスマーケットを大きな買物袋を提げて歩く気はなくなります。

公共交通で買物に来る人はかさばるものを買わない、などといいますが、ネックになるのは、これは公共交通での移動が不便だから、というよりは、大きなものを買って街を回遊できない、楽しめないから、なわけです。当たり前のことなのですが、中心市街地(商業地)の活性化や、公共交通の活性化には、この点はもっと重要視されていいと思います。
さらにちょっと驚いたのは、このバスを覗いてみたら、ここの運輸連合のロゴのはいったセーターを着ている人が荷物預かりを担当していたので、これは交通事業者によるサービスと思われる(ドイツ語ができないもんで、確認できませんでした)ことです。カールスルーエでの、街と公共交通との関係を象徴しているような気がしました。時間あたり40本のトラムも、「トランジットモール」も、食堂車つきトラムも、複電圧式電車によるドイツ鉄道への乗入れも、確かに「見もの」ではあるんですが、いちばんのヒットはこれですね。

帰国しました。
12月になってブログの更新をせぬまま、17日に帰国しました。そしてようやく20数日ぶりにブログを更新しています。

まずは、ブログを更新しなかった言い訳から。

別に体調を崩したわけでもなんでもなく、むしろそれまで風邪気味だったのが治って、とくに最後の2週間は充実した日々をカイザースラウテルンで送っていました。資料収集が佳境になってきたり、学内での2回の講演の準備やらで、夜も作業をしている日が多くてブログが後回しになってしまったことがひとつ。もうひとつは、風邪が治ったのでアルコールを解禁して、作業をしないと決めた夜は、食事がてらビール(これがうまい!)を飲みに行っていました。一人で飲んでいるとどうしてもピッチが早くなるので、たいして飲んでいなくても、宿に帰るとなんだか酔いがずいぶんまわったような気がして面倒になって寝てしまう、こんなサイクルを繰り返していました。

大学のスタッフで飲みに行ったこともありました。きっかけは、ハーグ先生と話していて「『豚の胃袋』を食べたことがあるか?」ということになり、ないのなら是非食べに行こう、ということで、名誉教授のトップ先生も含めて、研究室スタッフ全員で『豚の胃袋』を食べにいくことになりました。ソーセージは豚の小腸でつくりますが、この料理はそれを胃袋で作るのでその名があります。もちろん1本まるごとでは巨大なので、スライスして焼いて食べます(胃袋の部分は食べません。なので、別に胃袋に詰めなくてもいいんですが)。ドイツのコール元首相が大好物で、外国の首脳にこれを振舞うのが定番だったとか。賓客をもてなすには素朴な料理ではありますが、肉以外にもいろいろ入っていてなかなか美味です。このときはワインをずいぶん飲んで、これまた宿に帰ってすぐ寝てしまいました。

さて、2回の講演は、出席者は基本的には研究室関係者がほとんどでしたが、他の分野の先生も数人いらっしゃっていて、そのなかに緑地計画が専門のヴュスト先生がいました。彼は、カイザースラウテルンの街の中心部にある日本庭園の設置のときにいろいろ尽力をされた一人です。その日本庭園はヨーロッパではかなり大きなもので、私も行ってみたかったのですが、冬季の約半年は休園なので残念に思っていたところ、ヴュスト先生から「それなら私が案内しましょう」となり、閉園中の日本庭園を、わざわざ見せていただきました。多忙なハーグ先生までおつきあいいただいて、3人で雪が降った直後の風流な日本庭園を楽しんできました。外のドイツの町並みを望みながらの日本庭園も面白いものです。
庭園


スタッフと

ハーグ先生以下のスタッフとのスナップです。最後の講演の時には、この写真を大判に印刷したものに寄せ書きをいただいて、さらに大学のラベルのワインまでいただきました(後でラベルをよく見てみると、これがなかなかいいワインのようです。まだ飲んでませんが)。こんな感じで、カイザースラウテルンでは、滞在の最初から最後まで、ハーブ先生ほかスタッフの皆さんや他の分野の先生にまで、とてもよくしていただきました。もちろん飲み会ばかりでなく、資料の収集でも、いろいろコンタクトを取っていただいたりして、とても感謝でいっぱいです。

3ヶ月間の海外滞在も実は初めての経験でしたが、幸い、トラブルにも何もあいませんでした。ひとつあるとすれば、オランダのデルフトでM1の小松君に会うときに、ブリュッセルで列車に乗り遅れて、小松君に迷惑をかけてしまったことぐらいでしょうか(その数週間後に同じくデルフトを訪れたわが土木教室の細田先生は、列車が遅れても約束の待ち合わせ時間にきちんと間に合ったそうですから、やはり細田先生はさすがです。)。

トロンハイムでもカイザースラウテルンでも人のつながりができて、専門分野の交流もできて、とても充実した3ヶ月をすごすことができました。このブログでは、専門と日常との間のようなことを書いていましたが、専門的な話はまた機会を作って、ご報告できればと思っています。また、滞在の備忘録も兼ねているので、ときどき思い出してブログを追加していきます。もちろん、できれば滞在記以外の通常のブログもこれから随時アップしていこうと思います。

ということで、今回の記事でブログはおしまい、ではありません。引き続きお付き合いください。
パークアンドライド(続き)
 いま泊まっているホテルで、それまでは広いツインの部屋にいたのが、「金曜日はツインの予約がいっぱいなのでシングルに移ってくれ」といわれて、金曜日の朝、部屋を移動。荷物が結構あるので、いったんでもまとめるのは面倒なんですよね・・・。

28日(金)の夜に当地で、サッカー(ブンデスリーガの2部)のカイザースラウテルンとアーヘンの試合があり、そのため宿もいっぱいになったわけです。こちらは移動が多いので、とくにいつまで、と宿に特に告げずに宿に居座っているのですから、「今日は部屋はありません」と言われなかっただけよかったのかもしれません。今度は、やや小さいけれど明るい部屋なのでまあOK。

2006年のワールドカップで、日本がオーストラリアに負けたのはまさにここです。駅からスタジアムへの途中の広場には、ここで行われた試合の国の選手の等身大人形と、大会記念碑が立っています。

奥右の青い人形が日本代表、ということだそうで。手前が、オーストラリア。(この広場の脇が、行きつけのコインランドリー)

ちなみに今年3月のケニア出張のときは、アジア予選のバーレーン戦にむかう日本代表と同じ飛行機で、関空での搭乗直前の10分くらいは選手とずっと待合室で一緒でしたが、私はサッカーについては全くもって疎くて、いまの選手の顔も名前も誰一人として分かりません。唯一、岡田監督と、それから数人の報道陣がいたから日本代表と分かったものの、そうでなかったら「なんだこの学生団体は?」という程度です。もっとも他の乗客も皆「何この人たち?」といった感じだったので、世の中の標準はこんなもんなのでしょう。

こんな程度の認識なので、2006年ドイツ大会といっても特に感慨もないのですが、それにしても、こんな小さな街にスタジアムがあり、サッカーチームがあり、そしてよくワールドカップ大会をやったと思わずにはいられません。(さらにどうでもいいことですが、「ぐるなび」の海外版には、なぜかカイザースラウテルンもあります。情報の更新は(ご察しの通り)2006年以降はほとんどされていないようです。私がよく行く店が結構入っているのは、きっと外国人にも入りやすくて近くにホテルが多いような店が選ばれているからでしょう→別にマズイというわけではない)

で、タイトルの話題ですが、こちらは金曜日の午後になるともう週末ムードで、学食も金曜は夕方はお休みです。ちょっと以前の日本の土曜日の感覚に近いのでしょう。そして、大学の駐車場の車も少なくなった頃、16時くらいから再び車が増え始めました。このくらいから、15分おきくらいに、P+RとLED表示をしたバスが構内を走っていきます。前の記事に写真を載せた「パークアンドライド」です。とはいえ、大学の中に何か特別の案内看板が出るわけでもなく、みな当たり前のように駐車して、そしてバスに乗っていくのが少々不思議です。車に乗ってくる人も、大学関係者風には見えないけれど、とはいえサッカーファンにも見えない、といった雰囲気です。こちらのサッカー観戦はこんなもんなんですかね?コアなファンや、アウェーチームのファンは、もっと近くに駐車するのかもしれませんが。

というわけで、この日は、とくに市内が渋滞するわけでもなく、夜中に街で大騒ぎする人がいるでもなく(ゼロではなかったですが)、宿が満室になった以外は、意外とごく普通の金曜日の夜でした。
誕生日
こちらでは誕生日は、他人に祝ってもらうものではなく、誕生日をむかえた本人がいろいろな人を招待や接待する、という習慣です。 

今日は、ハーグ先生の誕生日です。30分ほどですが、博士の学生や研究員と私が、先生の研究室に午後にお茶に招かれました。最年長の先生自らコーヒーを入れてケーキを切り分けます。知識としては、この習慣はなんとなく知ってはいたのですが、いざその場にめぐり合わせると何だか不思議な感じです。ケーキの大きさがドイツ標準(=大きい)だったので、今日の夕食はサンドイッチ1つ。

街には、クリスマスツリーもお目見えし、そのうえ小雪も舞っているので、まさにもう冬本番です。

さて下の写真は(上記とは全く関係ありませんが)、キャンパスの入り口のものです。サッカーの試合のときは、大学の駐車場もパークアンドライドに使われる、ということなんでしょう。
パークアンドライド
都市間列車の乗りつぎサービス
 チューリッヒで中村先生と合流して学会に出席した後、6日ぶりにカイザースラウテルンに戻ってきました。そして、その翌日の21日(金)、外が急に暗くなったかと思うと、いきなり強い風と雪がふりだしました。そんな吹雪は30分ほどで終わったのですが、翌日の朝はうっすら外が白くなっていました。

今週末は、パリに2泊です。カイザースラウテルンとパリはTGVで直行2時間半です。今日(22日)は割安な午後発の列車でパリへ。途中のザールブリュッケン(ドイツの一番フランス寄り)では、雪がかなり積もっていました。
ザーリュブリュッケン
積雪10cmくらいですかね。

乗った列車は、車両はドイツのICEです。ICEには滞在中ずいぶん乗っていますが、初めての定刻運行です。いつもこうならたいへん結構なんですが。

2都市間の直行なら、10分や20分遅れてもどうってことはないのですが、乗りつぎをしていく場合には、この10分の遅れはかなりくせものです。ドイツでは、自販機で切符を購入すると、乗り継ぎの全スケジュールを、乗換駅の発着ホーム番号入りで印字してくれるので、これはこれでなかなか優れものなのですが、列車が遅れるときにはたいてい列車の発着番線が直前に変更になるので使い物になりません。もちろんドイツ語の放送はあるのですが、私には当然よくわかりません。さらに困るのは、あまり大きくない駅や、大きい駅でも乗換え専用通路のような場合は、通路上のホームの降り口(または上り口)には、ホームに発着する列車の電光表示がないことです。すなわち、乗り継ぎの場合には、正しいホームに上がらないかぎり、絶対にどの列車がどこから発着するかを知ることができない仕掛けになっています。

チューリッヒからの帰りは、シュツットガルト乗換えでした。乗りつぎ時間はダイヤ上は9分でしたが、例のごとく10分遅れ到着です。このときは、降りる直前に車掌に「乗りつぎ先の列車の発車番線は11番で変更はないか?」と聞いて「ない」と言った(英語のやり取りなので、おたがいあやしいんですが)ので、安心して11番線ホームに(いちおう走って)行ってみると、列車はそこにはいません。よくみると「8番線に変更」となっていたので、あわてて走ります。で、無事乗車できましたが、私が乗ったらすぐに列車は動き出すというタイミングで、もし大きな荷物を持っていたり子供連れだったりしたら、乗り継ぎは絶対に不可能でした。老人でも無理でしょう。ドイツ語のアナウンスが理解できればOK、というようなものではない気がします。

これはたまたま、というよりも、ドイツではいつものこと、というのが私の印象です。

さらにいうと、遅れをできるだけ出さない、という工夫が足りない気がします。このチューリッヒ−シュツットガルト間を往復しているICEは、チューリッヒで乗った列車は、ダイヤ上はチューリッヒでわずか17分で折り返し(で、18分遅れで到着したので、約7分遅れで折り返し出発)、到着先のシュツットガルトでは、なんと9分で折り返す(で、10分の遅れで到着)という車両の運用になっています。ただでさえ列車が遅れる(まあこれは仕方ないこととしても)のに、その遅れが次の列車の遅れに伝播しないようなダイヤの工夫をなぜしないのか、理解に苦しむところです。

これから一ヶ月、ドイツ国内をいろいろ動くことになりそうですが、それは常にこのようなスリリングな旅になりそうです。

最後に。ICEの新しいタイプの車両は、運転席の後ろの席は「かぶりつき席」になります。私も一瞬のぞいてきました(これは最後部)。

かぶりつき

320kmの運転席からの眺めは、こればかりは日本では体験できません。

他にも、親子連れや孫を連れたおじいちゃんとか、一眼レフカメラをぶら下げたおじさんなどが、ちょくちょくやってきていました。最前部もこのように見えるのかは確かめていません(最後部でも、ときどき仕切りのガラスに自動的に曇りが入り、運転席が見えなくなります)。
ただ、このかぶりつき席はどうも照明が少し落とし気味にしてあるようで、そのうえいろいろな人が入れ替わりやってくるので、ずっと座っているにはイマイチのような気がします。

(追記)パリからの帰路も、指定が同じ号車の席(今度は先頭車)でした。最前部でも、運転席が見えます。今度は夜だったのでわざわざすぐ後ろまで見には行きませんでしたが、やはりいろんな人が入れ替わり立ち代わりやってきていました。ICEの新型車両に乗ることがあれば皆様も是非どうぞ。
自転車と鉄道(オランダ、デルフト)
 今日(16日)は、環境や都市交通の世界ではこれまた有名なフライブルグにいますが、今回もその話は別の機会にして(書かないかもしれません)、11月6日のオランダ、デルフトの話です。

こちらでは、デルフト工科大学滞在中の5研の小松君にお世話になり、ほぼ一日、街歩き+大学見学をしていました。小松君、どうもありがとう。



デルフトは、人口10万人ほどで、旧市街地は、運河が張り巡らされ、低層の昔ながらの建築物が残っていて、とても落ち着いたいい街です。

小松君
小松君

中心市街地は、車の乗り入れは制限され、いたるところにライジングボラードがあります。
スイッチを押すとどこかのセンターにつながるらしく、私が見た物流車は、インターホンで何かを話していて、そうするとボラードがするすると下がっていきました。
オランダは、自転車はみなスピードを出すので、ルール遵守でマナーはいいのですが、このような自転車の走行区分がない所では、慣れていないと少し肝を冷やします。
ボラード

下の写真は、デルフト駅前の駐輪場(公共の無料のもの)です。これはごく一部で、駅前広場を隔てて反対側、そして駅の裏側にもあります。ざっと、駐輪台数はざっと推察して4000台くらいでしょうか。人口10万人の町の中心駅としては、かなりの数です。駅の乗降人員のデータはないのですが、それとの比率を考えても、この数はかなりのものです(写真ではありませんが、バスの発着本数もそれなりにあります)。
中には、明らかに放置されている(タイヤが曲がっているとか)もありますが。

自転車

これにくわえて、国鉄の有料の自転車保管所があり、これは国鉄のwebsiteによると、国鉄が全国展開しているサービスで、利用料は一日1.1ユーロ、一ヶ月11.3ユーロで、原付だと2〜3倍です。有人で屋根つきです。面白いのは、保管に加えて、自転車レンタル、修理、販売(新品・中古)もしています。上記の料金は、東京の基準ではリーズナブルですが、まわりに無料の駐輪場がある中でこれをつかってもらうには、利用者に対しては付加価値をつけ、事業者としては副収入を確保する、ということなのかもしれません。
オランダ国鉄は、自転車だけでなく、カーシェアリングやトレインタクシー(事前予約型の廉価な乗り合いタクシー)など、アクセス・イグレスについても鉄道と統合したサービスを提供しようとしています。さらにそれらは、個別の駅単位でサービスするのではなく、全国統一のブランド(ロゴマーク)とサービス水準で提供しています。これによって、利用者の認知はぐんと上がっているはずです。

日本の都市鉄道でも、たしかに各駅には自治体整備の駐輪場が整備され、ときには事業者自ら整備している場合もありますが、一歩進んで、鉄道事業者が自社の駅の駐輪場情報を、ポータルサイトでもよいから自社websiteで一律に公開するようなことが、もっとあってもよいと思います。
メトロとトラムとバスは同列?
今日はフランス東部、ドイツ国境近くのストラスブールです(2泊)。で、以下に書くのは既に日本でも有名になっているストラスブールのトラムや中心市街地交通規制ではなく(いずれ書くかもしれない)、11月4日に滞在していたブリュッセルの話です(忘れないうちにという主旨で)。

今日(ストラスブール)もそうなのですが、フランス語圏は食べ物がおいしいので、ついつい食べすぎ使いすぎてしまいます(ユーロ安は体にも財布にもかえってよくない)。到着日の夜はさっそく、ちょうど旬のムール貝を。適当に入った店でしたが、まるまる身の入ったムール貝が鍋に山盛りで、加えてポテトフライ(冷凍だろうけれど)がこれも山盛りで、たいへんケッコー。
ムール貝

本題ですが、ブリュッセルは、地下鉄(メトロ)が3系統(実質2路線)、トラムが20系統(うち、都心部と一部区間で、地下区間あり。プレメトロともよぶ)、バスが約50系統(STIBのみ)です。
そのプレメトロは、都心部の約数キロの区間が地下鉄規格で地下化されて、トラムが乗り入れています。将来的には地下鉄規格の車両が走ることも想定しています。
aプレメトロ
ブリュッセル南駅。プレトラム(左側)とメトロが同一ホーム乗換えができます。トラムのホームが低いのが分かります。上下2層式の地下駅です。aプレメトロホーム
これは、都心からやや離れた環状方向のトラムの地下区間のMontgomery駅です。この路線は、道路上に整備された専用空間を走行し、一部区間が地下になります。ホームのかさ上げを想定している(と思われる)設計です。(→ヒアリングも何もしないぐうたら視察なので、断定形では書きません)
ちなみに、この路線は、地下区間もあり、地上も優先信号などが入っているような、LRTシステムです。一方で、一般車両と空間を共有する従来型のトラム路線もあります。

ということで、一般的な感覚だと、都市交通は、

1)メトロ + プレメトロ(トラムの地下部分)
2)LRT (プレメトロの地上区間を含む)
3)従来型トラム
4)バス
5)軌道フィーダー型バス

というような階層構造になっている、と教科書的には理解できて、実際に多くの都市では利用者もそのような理解をしていると思っていたわけです。もちろん都市によっては、上記で、3)と4)が同一というのは、まあよくある話で、また2)と3)を同一にしているのはむしろ普通なのかもしれません。

ところがというか、ブリュッセルでは、系統番号はメトロからバスまで共通で、さらに、地図では、上記の2)から5)まで、凡例でも全く区別せずに系統番号と線が書かれています。すなわち、地図に系統の線と番号が書いてあっても、それがLRTなのか普通のバスかの区別がない(一部のLRTが太線になっているのだが、太線と細線の区別の基準がよく分からない)。ですから、バス停と電停が共有されている場合、そのバス停(電停)に止まる系統の番号の表示でも、その番号がバスなのかトラムなのかは、必ずしも明示されているわけではありません。
電停
在来型のトラムの電停(バス停と共通)。トラム乗降中は、後続の車は赤信号で停車します。

その地図と同じものが、ホームページでも見ることができます。
http://www.stib.be/netplan-plan-reseau.html?guest_user=guest_en

日本で、バスに対する路面電車の利点として、そこに線路があるので路線が明確だとか、地図に線路が書いてあるので分かりやすい、などといわれることがありますが、少なくともこのブリュッセルを見る限り、その論理はなりたっていないようにも思います。むしろ、バスと路面電車を同格として扱うことで、バスの認知度を上げている、ともいえなくもありません。
(ちなみに、街のインフォメーションで配られている地図上には、トラムの線路はなかったように記憶しています)

もっとも一方で、最初にブリュッセル南駅にTGVから降り立った一旅行者の私としては、地下鉄(プレトラム)に降りる入り口にもどこにも、メトロ+プレメトロの路線図というのが皆無(ざっと見た限り)であったことは、正直「一体なんだこれは?」と思わずにはいられなかったのも事実です。TGVから初めて降りた客が、何の事前情報もなく駅の案内表示だけで、市の旧市街地までメトロに乗って行くのは、たとえ降りる駅名を知っていても不可能です(駅員もいない)。

これはきちんとヒアリングをしなければいけないことですが、バスをトラムと同列に扱うことに積極性を見出すということと、そのためかどうかは不明ですが、都市内の基幹的なネットワークをあえて(たぶん)明示しないという考え方が、どのような発想に基づいているのか、是非知りたいところです。

このことを一般的な課題に書き換えてみれば、
「公共交通の利用促進に向けて、
・できるだけ多くのバスの系統を利用者に認知させて、実質的なフリークエンシーを上げる試み。
  と
・都市内の主要な分かりやすいネットワークを特に明示化することで、利用者の認知性を向上させる試み。
という、相反する可能性がある方策をどう組み合わせていくか?」
ということになるでしょうか。

ちなみに、上記の地図を見るときに発見しましたが、STIBのホームページにアクセスすると、いま「顧客満足度webアンケート」をしています。ヨーロッパの多くの都市交通ではこの種の調査をしています。なるほどと思うこともある反面、かなり量は多めです。(英語版もあります)
http://www.stib.be/index.htm
カイザースラウテルン大学のキャンパス
欧州滞在もあと一ヶ月少しとなりました。

カイザースラウテルンでは、アパートを借りることはせずホテル暮らしをすることにしました。滞在期間の3分の1は他の都市に行っているので、一ヶ月部屋をキープしておくよりは、朝食もインターネットも付いているホテルで快適に過ごしたほうがいいかと。

泊まっているホテルは街の中心部に隣接していて、食事や買物などはすぐ近くで済むのでかなり気楽です。でも歩行者優先道路に面していて静かなのがありがたい。大学へは、バスで15分ほどです。さっそく一ヶ月定期を購入(42.5ユーロ)。

キャンパスは駅裏から丘に1.5kmほど上がったところです。1960年代から70年代に整備されたキャンパスなので、建物もそんな感じです。工科単科大学なので、キャンパスもそれほど大きくはありません。

キャンパス1
キャンパスと住宅地(寄宿舎もふくむ)の間にある歩道橋から。奥の円柱型ビルが本部。私のいる建物はさらにその奥。

キャンパス2
大学にも街にも、魚があふれています。

植栽は、庭園のようなきれいな刈り込みはせず、あまり手を加えていません。このあたりは日本の大学キャンパス風です。学生は、学部生くらいになると英語が少し怪しいというのはほほえましいです。
話せるのだけれど、話し慣れていないという感じです。ノルウェーやオランダとは違って、日常で英語にふれる機会はあまりないでしょうから。街でも通じたり通じなかったりなので、10数年前のドイツ語の記憶を呼び起こしているところです。

ノルウェーと違うところ(ありがたいところ)は、学生食堂のメニューが充実していることで、昼からきちんと暖かい食事がたべれられます(まあまあおいしい)。ハーグ先生に、ノルウェー人は昼は手製のサンドイッチ(暖かくない)か何かで適当に済ませていた、と言ったら、「ドイツではありえない!」。プロテスタントの国は食事を重視しない(要は「まずい」)と言われることがありますが、そうも簡単な話ではなさそうです。

部屋

今日(14日)から大学でもネットにつなげられるようになりました。私が使わせてもらっている机は写真の手前で、研究員の方と2人部屋です。ポスドクのスタッフが4人いるので、近くで頻繁にコミュニケーションできるのはありがたいです。

今日の夕方から、ストラスブール、フライブルグを通って、18日・19日でチューリッヒの学会に出席して、20日に戻ってきます。
カイザースラウテルン工科大学初日
カイザースラウテルンには9日(日)の夜に着きましたが、10日はこちらのハーグ先生がドルトムント出張中ということで、この一日は街を歩いたり、中村先生に送る資料を作ったりしてのんびりすごしていました(のんびりしていた割には、資料が遅れてすいませんでした→中村先生)。

今日(11日)が大学初日ということで、約束の昼過ぎにうかがいます。大学は町からバスで15分ほどで、歩いていくにはやや遠い所にあります。人口が10数万人で、これは前に滞在したノルウェーのトロンハイムと同じくらいです。ついでに言うと、前に所属していた広島大学がある東広島市も、合併前の人口はほぼ同じです。街の中心から歩くにはちょっと距離があるところに大学があるのも、そして、街に歴史があるのも、3都市に共通しています。研究して豊かな生活をおくるには、なかなかいいサイズの街です。

街

ちなみに、街の中心部は、ドイツの町によくあるように、歩行者専用道路の商店街が連なります。これまで周ったヨーロッパのどこの町でも、目抜き通りの一番いい場所に、ほぼ必ずH&Mとマクドナルドがあります。出店戦略がよくわかります。(写真の左側がH&Mです。ちなみに、家族から与えられた私のミッションの1つは、H&Mで子供の服を買って帰ることです。)

さて、事前のメールのやり取りでは、忙しいのに日本から来るよく分からない人のホストをするのもねえ、といった雰囲気も感じないではなかったのですが、ハーグ先生に実際にお会いしてお話してみると、こちらの調査へのアドバイスをいただいたり、実際にインタビューをするのにいい訪問先などをいろいろ教えていただき、さらにアポとりの一部もやっていただくことになり、いきなり初日からとてもお世話になることになりました。学生の講義とセミナーで話をさせていただく機会を2度いただくことにもなり、とてもありがたく幸先の良いスタートです。こちらの名誉教授のトップ先生も週に何回かは大学にいらっしゃるようで、早速そのトップ先生にも、ハーグ先生経由でいろいろお願いをすることになりました。
なんかとてもありがたいというか申し訳ないという感じですが、時には研究者はあつかましくなることも必要なのでしょう。恩返しをする機会を今のうちから考えておかなくては。
ドイツ着
 この一週間、移動が続いたり、ホテルでネットが使えなかったりで更新を怠っておりました。
が、この間は無事にすごしていて、デルフトではきちんと小松君に会うことができました。
9日の夜にカイザースラウテルンに到着しました。

この間、パリ、ブルッセル、デルフト、アムステルダム、デュッセルドルフという経由できました。
その間のことは、これから思い出しつつ書いていきます。

さて、アムステルダムからデュッセルドルフ・カイザースラウテルンは、全てICEでした。
ICE
子供は電車が好きなんですね。

TGVよりも車内は広めのような気がするし、居住性は2等車でもまあまあです。電源もあるのでパソコンも打てます。お金を払えばネットもできます。

ところが、この移動の2日間はたまたまなのか、自分の乗った時刻のほぼ全てのまわりの列車が20分遅れくらいで、乗り継ぎを繰り返していく身ではなかなか不安なものがありました(放送は全てドイツ語で、数字と地名しか分かりません)。ICEは、乗継がうまくできるようなダイヤ設定とネットワークになっていて、そのためか、ひとつの列車が遅れるとドイツ全土の列車が遅れるということになるのかもしれません。9日の日曜日の午後はどの乗換駅でも利用者が右往左往していました(到着番線もしょっちゅう変更になります)。
その乗換え駅にもエスカレータ・エレベータが意外とない(20kgのスーツケースを持つ身にはかなりつらい)とか、駅に乗車ドア位置表示がないので、列車が到着すると待っている人がみんないっせいにドアの前に走って移動しなくてはいけないとか、日本の新幹線のつもりで利用しているとイマイチなことは多々ありますが、所詮は在来線の特急に毛が生えたようなものですから、それはやむを得ないのかもしれません。

でも、アムステルダムでは、窓口で切符を買うと40分待ちとか(Hi Speed という名の高速列車専用窓口なんですが、ぜんぜん「高速」ではない。ネットで買えばいいんですがね)、本当に飛行機と競争する気があるのかと思わないではありません。まあこちらは、荷物が重いだけで急がぬ旅だったのでまあいいんですが。

さて、ビールはドイツはさすがにおいしいです。でも毎日ビールを飲んでいたら体を悪くしそうなので、一日おきに休肝日ということで、今日はためしにノンアルコールビールにしました。そしたら、これが意外やなかなかいける味です。こちらには当然ながら無糖の飲料は水くらいしかないので、ノンアルコールビールは冷ウーロン茶がわりによさそうです。
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